Nissa Moto Blog

バイクで巡る南仏コート・ダジュール。「Nissa」はニース語で「ニース」のことです。

【Lac d'Allos / Le parc national du Mercantour】アロス湖/ニースから3時間まさかの雪中ハイキング


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2018年5月初旬、メルカントゥール国立公園(Le parc national du Mercantour)まで、雪解け水によって山間にできたアロス湖を見に行きました。事前に調べたところでは、上の写真のような絶景が見られるとのこと。

ハイキングはさほど好きではない妻(私)ですが、「そんなに長いハイキングじゃないみたいだよ」という夫の言葉と、この写真を見て「・・・これは行きたい!」

ということで、ニースからバイクで片道3時間かけて行ってきました。


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結論から言うと5月初旬はまだ雪!湖は・・・

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結論から言うと、5月初旬のメルカントゥール国立公園は、雪が残りまくりでした。そしてお目当てのアロス湖に至っては、この日の悪天候も重なって、周りの雪山と一体化して、雪原なのか湖なのか定かでない感じでありました。

雪がどんどん溶けている時期で、川や滝はすごい勢いでした。アロス湖が見たければ行くべきは夏から初秋だったようです(うーん、準備不足)。

雪無しなら片道45分、 長く歩きたければ片道2時間30分コース

この日は朝から天気予報が「嵐」。とはいえ、せっかく早起きしてサンドイッチも用意したのだから、最近全くあたらない南仏の天気予報(個人の感覚です)は無視して、行けるだけ行ってみようということに。午前中にニースを出発し、メルカントゥール国立公園に到着した時点で14時。

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Googleのナビによれば、近くの駐車場からアロス湖までは徒歩15分とのこと。「楽勝ではないか」と余裕の心で、持参したサンドイッチを頬張りながらてくてく歩いて行ったところ、「アロス湖まで2時間30分」という表示が・・・。あれ?

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雪が残っているため駐車場までの道路がまだ閉鎖されていたのです。すでに小雨が降り始めており、往復5時間だと降りてきた時点で19時。日没ギリギリ。

どうしようかと逡巡したものの、「せっかくニースから3時間もかけて来たのだし」という思いが勝って、行ってみることにしました。

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「雪だ雪だ」とはしゃいで写真を撮っていた私達。こんなの序の口過ぎた。

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なお、当初出発地点に予定していた駐車場は、こんな感じ。2m以上雪が残ってました。ここまでバイクで上がって来られていれば、そして雪がなければ、かなり楽なハイキングだったことでしょう。ちなみにここまで来るのに、この日は1時間半くらいかかっています。


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雪解け水を飲みながらハイキング

予定外の長いハイキング、日差しが出れば汗ばむ陽気のため、とても喉が乾きましたが、幸い水は潤沢。道々、川の水を水筒に補充しつつ歩いて行きました。

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場所によっては水流が激しいので、緩やかな場所で水を汲みます。

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晴れたり、小雨が降ったりの15時頃。林の中を抜けていくコースも有りましたが、途中下山してきたグループ(この日唯一であった人たち)から「雪で道が見えず、迷ってちょっと大変だったから、道路沿いに行ったほうが良い」とアドバイスを受け、そちらを選択。

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それでもこの残雪量。時々、ズボッと腰まで雪にはまって、ちょっと焦りました。こんな雪山登山は予定していなかったので、バイクジャケットのまま突き進む私達(オススメしません)。

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雪解け水でできた滝壺。

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春の訪れを感じる小さい花と・・・

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何かの動物の骨。鹿の角が落ちていないかと足元を凝視していたら、違う骨を見つけてしまった・・・。なお、帰り道に別の場所で背骨の一部も発見。

あと30分で湖、という場所からが大変だった・・・

雪道をガシガシ進みながら、やっと当初出発地点の予定だった駐車場へ到着。そして、進んだ先に「アロス湖まで0時間30分」の表示。

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表示板も雪で埋まっています。緊急避難用の山小屋が開放中ということなので「万が一の時はここに泊まるしかないな」等と言いつつ湖を目指します。

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そして、視界いっぱいに広がる雪景色。もう予定外過ぎるだろうという言葉はぐっと飲み込み、「絶対湖を見てやる」気持ちだけで、うっすら残る足跡を辿って進みます。

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途中、緊急避難用の山小屋通過。開放中とのことなので暖房も多少動いているのかも。とは言えお世話にはなりたくないと思いつつ。

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小休止。この眼の前の斜面を超えたところに湖が・・・あるはず。

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けっこうな急斜面。この時はひたすら足元の雪を踏みしめながら必死で登っていました。振り返ると先ほど通過した山小屋がとても小さく見えました。

そして、やっと見えたアロス湖。

感想は「・・・湖どこ?」

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とりあえず10分程湖を眺め、誰もいないので湖に向かって「あーーーーー!」と絶叫してこだまを楽しんで下山の途につきました。


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往復5時間のハイキングの後は、寒さに震えながらニースへ。

雪山とは言え、やはり下りは多少楽でした。もう靴の中がびしょびしょに濡れていましたが、ハイキング中は寒さをあまり感じず。

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立ち上る湯気。

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バイクを停めている場所に戻ってきた時、私達が思ったのは「一刻も早くお家に帰ろう」でした。バイクに乗り始めて約2年ですが、これほど寒さに震えたツーリングは初めてのこと。久しぶりに歯がカチカチ鳴るという経験をしました。

夫も細心の注意を払いつつ、制限速度いっぱいを維持しながらバイクを走らせること3時間。

やっとのことでニースに帰りつき、取るものもとりあえず、片っ端から泥と雪と雨で濡れた衣類と靴を脱ぎ捨てシャワーを浴びたのでした。

死ぬかと思った。

 

旅の概要&MAP

所要時間:ニース市内からバイクで片道約3時間

見どころ:そびえ立つ岸壁や、雪の残る山脈など、アロス湖とメルカントゥール国立公園到着までの景色も非常に素晴らしいです。何となく「北海道」感があります。

気温など:5月上旬は晴れていれば汗ばむくらい。ただし山には雪が残っている上、ニースから行く場合、どんどん標高が上がっていくためバイク乗車中の寒さ対策は必要。

備考:川の水が飲めるので潤沢にあります。夏は公園入口に売店・トイレがあります(この日は閉鎖中)。公園内はトイレありません。食べ物は持参するのが良いでしょう。

 2018/6/4追記 フィガロ紙「週末行くのにオススメ湖5選」として紹介

これは本当に現在の写真なのだろうか。わずか1ヶ月で別の湖みたいになっている・・・。